混同されがちな斎場と火葬場ですが、この両者は持っている意味合いに違いがあります。前者は「お葬式を行う場所」のことで、元々は神道の祭祀や儀式を行う場所をさした言葉です。葬儀場・葬祭場・セレモニーホールなどと呼ばれることも多いですがほぼ同じと考えて間違いありません。
それに対し後者は「死体を火葬にするための施設」です。高い煙突から空にのぼっていく煙が象徴的だった景色こそなくなりましたが、今でも亡骸を焼いて骨にするという役割は同じです。しかし、ひと昔前には自宅で執り行っていた葬儀が会館でで行われるようになってきたころから両者の間の垣根が取り除かれつつあります。
民間が運営するものには少ないですが、公営の斎場には火葬場を併設したものが多く、特に都市部の有名なところには両者が1体となっていたり隣り合わせになっていたりすることもよくあります。中には葬儀会場から霊安室・親族控室・売店や喫茶店・宿泊設備までを備えた施設も存在します。
すべてがトータルで済むように考えられているところもあり便利に使えると利用する人も増えてきました。火葬する施設を併設していない時にはセレモニーと火葬の両者が滞りなく終えられるような手配が必要です。宗教観の変化や人間関係の希薄化により最近増えてきている直葬の場合には、火葬だけを行うことになるので斎場は必用ありません。
混同されがちな2つの言葉の違いを理解した上で上手な葬儀場選びをしてください。